翌朝、莉央がアイランドキッチンのカウンターにサラダ、ハムエッグを並べていると、怪訝そうな顔をした高嶺がベッドルームから姿を現した。
「いい匂いがする」
「おはようございます」
「んあ……ああ、おはよう……」
高嶺の目が、莉央からほかほかと湯気を立てる朝食に向かう。
「それ、どっから来たんだ……」
「どっからって……作ったに決まってるじゃないですか。食べますか?」
莉央としては高嶺がいらないといえば自分で食べるつもりだったのだが
「……ああ」
予想に反して高嶺はうなずいた。
「シャワー浴びてくる」
そして何か信じられないものを見たというような顔のままバスルームへと向かい、タオルでゴシゴシと頭を拭きながらバスローブ姿で戻ってきた。