「だから、今後はそういう子供扱いもしないでください!」
「子供扱いなんかしてない」
「じゃあなんだって思ってるのっ!」


 すると高嶺は困ったように肩をすくめ、
「一人の女として見てる」
と言い、莉央を固まらせた。

(お、女として見てる……?)

 一瞬焦ったが、すぐにそんなはずないと思い直した。

 高嶺は自分をからかって面白がっているだけなのだ。


「またそんな、からかって……!」
「からかってなんかないさ。あ、冷蔵庫には何も入ってないから食事は明日の夜からでいい。現金はそこのテーブルの下に封筒が入ってる。それを使ってくれ。合鍵もある。莉央の分だ。で、部屋は悪いが、莉央がゲストルームを使ってくれ。電源の数が違うんだ」


 高嶺は言いたいことを言って、仕事をするらしくパソコン片手に部屋に入ってしまった。


(電源の数が違うって、それって大事なことなの? よくわからないけど……。)