「二、三日来なくてもいいって本気で言ってるのか、あいつ……」


 確かに天宮がいれば大抵のことはなんとかなるし、家で仕事ができるのも事実である。

 高嶺はこしのある黒髪をかき回し、大きなベッドで小さく眠る莉央を改めて見おろす。


(病気の子猫なぁ……。まぁ確かにシャーシャー言うのは猫っぽくもないかもしれんが、生意気で、全然可愛くねぇし……。)

 天宮の言うことは時々よくわからない。

(まぁとにかく、こうなったら腹をくくるか。ここで恩を売っておけば、交渉も有利になるしな……。)

 現実的に損得問題に頭を切り替えることにした。



  それから一時間もしないうちに、宅配サービスで大量の荷物が届いた。

 受け取りのサインをしてリビングで中身を広げる。
 りんごやイチゴ、バナナといった果物から、大量の着替え、タオルや洗面道具まで入っていた。


「気が効きすぎて怖えな……」