それでも現代人かと唖然とする高嶺だが、とりあえず自分の番号を登録し、自分のスマホにダイヤルして着信を残した。


「じゃあ、私帰ります。離婚届が出来たら連絡してください。すぐに取りに来ますので」


 莉央は高嶺から自分のスマホを受け取りバッグにしまう。

(ここでさっさと帰すのはまずいな。とりあえず次に続く何かを……。)

 高嶺は居心地の悪そうな莉央を見つめ考える。


「ちょっと待て。君は今どこにいるんだ?」
「どこって……ホテルです」


 都内の外資系ホテルの名を口にする莉央に、高嶺は首をかしげる。


「ずいぶん値が張るところに泊まってるんだな」
「……そうなの?」


 高嶺の言葉に不安そうな顔をする莉央。