莉央の中で暴れ始める高嶺が愛おしくてたまらない。
塗りつぶされたい。塗りつぶしたい。この人のすべてが欲しい。
愛したい、愛されたい。触れたくて、触れられたい。もっと、もっと、自分だけを見て欲しい。
何一つ取りこぼしたくなくて、波のように押し寄せてくる快感と、痛みと、陶酔と、ほんの少しの嗜虐心の中で、莉央は高嶺の体にしがみつく。
自分がこんな貪欲な人間だとは知らなかった。
視線が絡み合う。
高嶺の青墨色の瞳は宝石のように輝いていた。その目で見てもらえる自分は、愛されているのだと唐突に気づいて泣きたくなる。
(描きたい……。この目を覚えておきたい……。)
「莉央……愛してる。これからもずっと」
高嶺の誓いの言葉に莉央は微笑む。
そしてそのままゆっくりと意識を手放していた。
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