莉央を初めて意識した日と同じように、いやそれ以上に、日々莉央が愛しくてたまらなくなる。
頰にかかる髪を指で払い、もう一度口付ける。
「莉央、愛してる……」
彼女の背中に手を当てて、ゆっくりと畳の上に横たえる。
そして覆いかぶさるように抱いて、顔中にキスの雨を降らせた。
やっと、莉央を自分のものにできる。いや、すでに彼女は自分のものだと内心思ってはいるのだが、実際はそうではないわけで。
けれどそれをはっきり言って、莉央に体が目当てだとは絶対に思われたくない、微妙な男心を抱えた日々が、長い時を経てようやく終わりを告げるのだ。
食事の用意をしてもらっている間、隣の和室に布団が敷かれていたのはこっそり確認済みである。
このまま彼女を抱き上げて運んでしまおうか……。