「駄目、無理。マジで無理だ……こんな可愛い莉央と三週間会えないなんて嘘だろ……。絶対夢に見る。地獄だ。やっぱり俺行くのやめて天宮を代わりに行かせるか……」
半ば本気っぽい囁きに莉央は慌ててしまった。
「駄目よ、そんなの。天宮さんに迷惑かけないで」
「……どうしても?」
「どうしてもよ」
「はぁ……」
高嶺は渋々うなずいて、それから莉央の目の端に残る涙を指でぬぐった。
「これから三週間のあいだ、辛くなったら会いに来てもいいぞ」
「ううん、行かない。私は私の仕事を全うするから」
「……だな」
莉央の返事はわかっていたようだ。