「あー、これから三週間莉央不足か……」


 莉央を見つめる高嶺の青墨色の目が、色っぽい輝きを帯びはじめる。


「キスしていいか。愛しすぎて、さすがに耐えられそうにない」
「えっ、こっ、ここで!?」


 さすがに人目が多すぎて、莉央はプルプルと首を振った。


「無理よ、はずかし……っんっ……」


 無理だと言ったのに、噛み付くようなキスで唇を奪われてしまった。

 国際線ターミナルで抱き合うカップルなどそう珍しくもないと、莉央は自分に言い聞かせようとしたが、さすがにこれは、嬉しいよりも恥ずかしさが勝る。

 なんとか高嶺を押し返したが、彼はぎゅうぎゅうと莉央を抱きしめて悩ましげにため息をつく。