(神様お願いします、こんな時に神頼みなんて本当に恥ずかしいけど、もし正智さんの出発に間に合ったら、今後はもっと素直で可愛い人間になります!)


 昼に出るというのなら、おそらくロサンゼルス経由の飛行機だろうと設楽が教えてくれた。

 出発ロビーがある四階へと向かいながら、携帯を鳴らし続ける。

 出てくれと必死で願いながら、エスカレーターを駆け上り、人混みをかけ分けた。
 

『……莉央?』


 耳に押し付けたスマホから、高嶺の声が聞こえた。

(繋がった……!)


 また涙が溢れそうになる。唇を噛み締めながら叫んだ。


「どこ!? いま、どこにいるの!」
『えっ? まだ時間があるからファーストクラスのラウンジに……って、莉央こそいまどこにいるんだ!』