(デート……デート? デートって一体何したらいいの?)


 帰宅後、莉央はソファーでクッションを抱え悩んでいた。


 デートと言えば、中学生の時に友人にどうしてもと頼まれてグループデートをしたことがあるぐらいだ。

 今更高嶺と遊園地に行くか?と考えてもピンとこない。

 そもそも莉央は人混みが苦手て、出かけるくらいなら家で本を読んでいたいタイプである。


「難しい……」


 軽く絶望しながらも、それでも今の自分に気分転換が必要なことはわかる。

 じゃあ高嶺に任せる?
 経験豊富な彼ならデートの一つや二つ軽いものだろう。

 経験豊富……。

 ムカッ……。

 想像したら腹が立った。