「出してない」
「うわぁ……マジか。ではお言葉に甘えてサンドイッチいただきます」
「こっちから向こうがお前の分」


 高嶺もタマゴサンドを手に取り、口に運ぶ。

 マヨネーズ控えめなタマゴサンドは素材の味がしっかりとして口触りもいい。
 莉央の料理はシンプルだが仕事が丁寧なのだ。
 さすが俺の莉央。


「あー美味しいねぇ……じゃなくて! 好きな女の子と一つ屋根の下にいるのに手を出さないなんて、いつからお前はそんな男になったんだ!」


 サンドイッチを頬張りながら天宮がソファーから立ち上がる。


「俺だって予想外の展開だ」


 高嶺はすでに達観した様子で窓の外を眺めた。