莉央が湯上りの高嶺にときめいたように、高嶺もまた同じように莉央に心を奪われていた。

 生まれたての真珠のような莉央が眩しくてたまらない。
 神が気まぐれで寄越した宝としか思えなかった。


「もっと深くキスしたい。莉央に触れたい」


 どこか切羽詰まったように高嶺はささやき、頬を傾ける。莉央はぼうっとした頭でそれを聞きながら、受け入れた。

 もつれるように抱き合って、押し倒された。のしかかった高嶺の舌が莉央を蹂躙する。追いかけて絡み、吸い上げて、噛む。

 とても長い時間をかけて、ゆっくりと。

 そのうち、大きな掌が莉央の方を撫で、ウエストを撫で、胸を持ち上げた。

 何もかもが初めての莉央である。その瞬間はさすがに驚いたが、やはり嫌だとは思わなかった。
 ただ全身を包むしびれるような陶酔感に、いつまでも浸っていたいような、そんな気分だった。