高嶺は莉央の背中を支えながら、ベッドの端に座らせる。そして隣に腰を下ろし、莉央の背中を撫でた。

 最近になってようやく莉央も気づいたのだが、いやがることはしないという前提で、高嶺は莉央にこうしたい、ああしたいと囁くのだ。

 自分に選択肢があると思わせておいて、結局莉央は高嶺の甘い誘惑を拒否することなどできない。

(正智さん、無自覚なのかな……。)


 何となく負けたような気がしながらも、莉央は高嶺を見上げた。


「違うの……」
「ん?」
「嫌じゃない……正智さんに触れられるの、好き……名前を呼ばれて、ドキドキして、苦しくなっただけ……だから大丈夫」


 莉央は呼吸を整えながら、はにかむように微笑む。


「莉央……」