その声に、ゆっくりと高嶺の手が肩に回り、もっと近くに引き寄せられる。

 視線が絡み合うと確かな繋がりを感じる。
 高嶺も同じ気持ちなのだと、彼の青墨色の瞳を見ればわかる。

 しっかりとその瞳を見上げると、お互い引き寄せられるように唇を重ねていた。


 最初は唇の表面だけ。
 軽く吸われ、舐められ、今度はきつく吸われる。


「莉央……」


 唇が離れるたび、高嶺は切なげに莉央の名前を呼ぶ。

 名前を呼ばれるだけで、体が震えるほど嬉しくなるということを莉央は知らなかった。


「莉央……震えてる。大丈夫か」