「莉央、俺に触れられるのは嫌なのか」
「えっ……?」
「そんなことはないと思うんだが、俺の勘違いか?」
大きな手が莉央の頰を包む。
高嶺の涼しげな瞳にじっと見つめられると、莉央はどうしても赤面してしまう。
「えっと、あの、高嶺さんが嫌とかそういうんじゃなくて……今、この場所が……」
「莉央。【高嶺さん】はないだろう。さっきはあんなに可愛く俺の名前を呼んでくれたのに。ほら、言ってみろよ、正智って」
「かわいい? いや、でっ、でもっ……」
「言わないとイタズラするぞ」
「えっ、イタズラは困るわ……その、まさ、とも、さん……」
顔を真っ赤にして名前を呼ぶ莉央。
「よくできました」
満足げな高嶺は上半身をかがめ、莉央のこめかみにキスを落とす。
「やっぱコロス!!!!!」
それを見た羽澄が飛びかかろうとするのを止めつつ、加寿美が叫ぶ。