「……コロス」
「ちょっ、羽澄ちゃんストップ!」
加寿美が慌てて羽澄を羽交い締めにしつつ、莉央に向かって叫んだ。
「莉央ちゃん、大丈夫っ!? てか大丈夫って言ってっ! 羽澄ちゃんが前科者になっちゃうっ!」
普段の優しげな羽澄とは全く違う、切腹覚悟の武士のような悲壮さで羽澄は高嶺を見つめている。
「お嬢様。ご命令とあらば羽澄はその男と相打ちになることも厭いません」
「ええっ!」
莉央は慌てて羽澄の元へ駆け寄り、その手を握った。
「羽澄、相打ちにならなくていいからっ! 私、大丈夫だから!」
「そうだよ、羽澄ちゃん、ほら莉央ちゃん元気だよ、大丈夫だって! どうどう」