泣きそうなのをこらえて、莉央は笑う。



 ジュースを飲んで、歯磨きをして、本当に玲子と同じベッドで眠ることになった。といってもベッドはキングサイズなので、二人で横になっても十分広いのだが。


 玲子がシャワーを浴びている間、荷物を整理する。
 ふと、スマホの充電をしてなかったということを思い出し何気なく手に取った。


「……あ」


 大変な数の着信が残っている。おそるおそる不在着信を確認してみれば、高嶺だ。


「どうして……」


 胸がぎゅっと締め付けられ、苦しくなる。


 いったいなんの用事があって彼は自分に電話をかけてくるのだろう。
 自分はいらない人間ではなかったのか。