「女優の方もさ、否定してくれたらいいのに、本命との仲ばれたくないからか、イエスともノートも言わずにしらばっくれてるんだよね……。とりあえずチェリブロに連絡してみる。ていうかこの記事、明日発売の週刊誌にのるんだよ。コンビニにはもうすぐ並ぶらしいけど」
「は?」
「いや参ったね。とりあえず広報から出すコメント考えるか……」
天宮はうんうんとうなりがら、社長室を出て行く。
一人残された高嶺は、馬鹿馬鹿しいと思いながらも印刷された紙面を、そのままゴミ箱に放り込む。
そして他人に自分がどう思われようが、さして興味のない高嶺は、そのことをきれいさっぱり忘れてしまった。
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