「ご丁寧にありがとうございます。よろしければあとで少しお話しさせていただけますか。そうお待たせしませんので」
「はい」
「では三階のカフェでお待ちください。迎えに参ります」
銀嶺堂は、一、二階がギャラリー、三階が喫茶店になっているらしい。
莉央はお礼を言って三階のcaféGINREIへと向かった。
鏡ばりになっている三階からは、商業施設のビルには大きな街頭ビジョンが見える。
窓側に腰を下ろし、ミルクティーを注文する。
特にやることもないので設楽に渡されたファイルを改めてじっくり読むことにした。
(私がここで個展……。できるかどうか悩んでも仕方ない。先生がくれたチャンスなんだから、やるしかないんだ。)
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