「こちらに詳しく書いてありますから、スケジュールを組み立てて、あとは一枚目玉になるような画を描いてみなさい」
「……はい。拝見します。ありがとうございます」
受け取った封筒はそう重くはないはずなのに何故かずっしりと重く感じた。
(三ヶ月後……三ヶ月後に私が個展?)
通常、個展というものは一年ほど前からスケジュールを組んでやるものだ。
あまりの展開の早さに、莉央は言葉を失う。
「緊張しているのですか?」
「……はい」
嘘をついても仕方ない。
素直にうなずいた。
「私のやることは強引に感じるでしょうね」
切れ長の涼しげな眼差しで、設楽は莉央をじっと見つめる。