体を離し、視線が絡み合うと、また引き寄せられるように唇が重なる。
 唇の表面が吸われ、そのあと舌がなぞっていく。


「ん、んっ……」


 高嶺から与えられる陶酔に莉央の震えが止まらなくなる。
 そんな莉央をなだめるように、高嶺の手のひらが背中を撫でる。

 そうやって、唇を合わせただけというにはあまりにも刺激が強すぎるキスを終えて、高嶺はまた莉央を抱きしめる。


「ああ、苦しいな……そろそろ俺に抱かれてもいい気分にはならないか?」


 半ば冗談ぽく、けれど莉央の返答次第では即行動に移すに違いない高嶺の問いに、莉央はハッと目を覚ました。


「そんな、バカ言わないでくださいっ……」


 胸を押し返して、少しばかり距離をとったが、これで高嶺との距離は確実に、一足飛びで縮まったのだと思うと、やはり動揺してしまう。