高嶺からまっすぐにぶつけられる好意が莉央には眩しかった。
本当に嫌なら逃げている。そもそも一緒に住んだりしない。一緒に食卓を囲むこともしない。
そうだ。そうなのだ。
百万回自分に言い訳したところで、結局自分がこの男に惹かれているのは事実なのだ。
「……画を見たいと言われたのは、ほんの少し嬉しかった。恥ずかしいけど……」
高嶺はもたれていた体を起こし、両手を莉央の肩に乗せ、引き寄せる。
「絶対に無理強いはしない。だからもう少し、お前に触れさせてくれ……莉央をもっと感じたいんだ」
無意識なのだろうか。
それとも自分の魅力をわかりきっての所業なのだろうか。
男っぽい声と、熱い眼差し。体温に、強く求められているのがわかる。