格好は普段通りだったり、スーツだったり(おそらく衣装なのだろう)いろいろあるのだが、どれも驚くほどよく撮れている。
華やかな王子様風の天宮とは対極だが、精悍で男らしい高嶺の横顔は美しい。
まるで幕末の志士のように、強い意志と生きる力に溢れているように見える。
「あなたのこと描いてみたい……かも」
「は?」
「……えっ!?」
驚いたように莉央を振り返る高嶺と、自分の発言に心臓が飛び出そうなくらい驚いた莉央の目があった。
「……ごめんなさい、私、人物は描かないの。ただなんとなく思っただけで……」
言い訳のような言葉が口をついて出たが、実際ただの言い訳で。
「普段は人物を描かないのに、描きたくなったのか」
「そ、そうね……どうしてかな」