そして天宮は莉央にいれてもらった日本茶を飲みながら、高嶺のシャワーが終わるのを待つことにした。


「莉央さん、改めて初めまして」
「初めまして。結城莉央です……」


 天宮翔平。
 高嶺とは二十年のつきあいで、なおかつ副社長をしているというのだから、自分のことは何でも知っているに違いない。

 いつも笑顔を浮かべた、容姿端麗を絵に描いたような男だが、その笑顔を彼の仮面のようだと思う自分はひねくれているのだろうか。

 そんな天宮にかなり恥ずかしいところを見られた莉央である。

 だがさすがに外に逃げるわけにもいかず、食器を洗うという台所仕事に集中することによって気を紛らわすことにした。


「俺はね、莉央さんが離婚したいなら手伝うつもりだから」


 天宮がいきなりの本題に入る。