寝乱れた髪が妙に色っぽい。
「おはようじゃないです!」
「そうだよー。なにこれ。俺、声かけるタイミング完全に逃しちゃったよ。あ、奥方様。先ほどご連絡した天宮翔平です」
ベッドルームの入り口にもたれるようにして、スーツ姿の天宮翔平が腕を組み立っていた。
「おはようございます」
王子様然とした雰囲気で、真っ赤になっている莉央に優雅に微笑みかける。
「……っ!! おはようございます、すっ、すっ、すみません! 起こそうとしたんですが!」
そういえば部屋に上がると言われたのだった。
高嶺に振り回されて、頭からすっぽ抜けていた。