まっすぐな眉をギュッと寄せ、頭痛に悩まされているような様子で唇を噛み締める。
本当にひどい有様だ。
「あの……やっぱり熱が、」
「ダメだ!」
「え?」
「決定的なことは、言うなっ……聞きたくない!」
そして高嶺は無言で莉央をぎゅうぎゅうと散々抱きしめた後、
「部屋にいるっ!」
立ち上がり、スタスタと自室に入っていった。
「なんなの……?」
まさか高嶺が設楽に嫉妬し、気がおかしくなりそうなくらい悩んでいるとは思いもつかない莉央は、高嶺の行動はやはり体調不良なのだととらえることしかできない。
「今日の夜は消化のいいものにしておいたほうがいいかも……」