甘い顔立ちをした王子様的な風貌で、どこか野性的な高嶺とは両極端である。
創業者二人は、学生時代から対称的で、オセロの黒と白とからかわれていた。
「で、どうするの」
「どうするもこうするも……」
「離婚する?」
「するわけないだろう!」
高嶺は切れ長の目をカッと見開き怒鳴る。
「なぜ俺が一方的に離婚されないといけないんだ!?」
「一方的に結婚したくせに」
「翔平!」
「はいはい、まぁ落ち着いて」
天宮は社長室に置かれたソファーに腰を下ろし、苛立ったように窓際を行ったり来たりする親友を手招きする。
「マサ。ちゃんと考えよう」