昨日、鉛筆でデッサンしたチューリップの下絵を何枚か部屋から持ってきて、顔彩(日本画調絵具を角皿に入れた固形の絵具。水で溶きのばして使う)と一緒にリビングのテーブルに並べる。

 昨日写生した時よりも花が開いていたので、花びらを少し調整しながら下図を作った。

 水で濡らした筆で色を取り、絵皿に移してさらに水を足す。何色かを混ぜて、チューリップを花びらの色を作る。

 淡い色から塗り、乾いたら今度は濃い色を重ねる。

 葉っぱの裏表、茎のねじれ、花びらの色の違いをはっきりと。
 ひたすら観察して、正確に。

 久しぶりの彩色作業に楽しくて時間が過ぎ去るのを忘れてしまう。


(やっぱり私、画が好き。何よりも好き……。)


 ふと、設楽の穏やかな笑顔が脳裏に浮かぶ。

 そうなると、設楽と一緒にいることが自分の幸せなのだろうか……。