そして莉央は……困っていた。
百貨店の外商部員がドンドンとリビングの床に箱を積み上げていくのをぼんやりと眺めていた。
「奥様にお渡しするようにとのことでした」
「……はい」
受け取りのサインをしてとりあえず帰ってもらったが、いくらだだっ広いリビングでも、店でも開くのかというレベルでものが並ぶと狭く感じる。
「これ、私に……じゃないよね」
宝石やドレス、大量の洋服に靴、そしてアクセサリーを、誰が必要としているんだろうか。
高嶺の考えていることはまるでわからない。
「それよりも夕食の支度しなくっちゃ」
ちょうど豚汁を作っていたところである。
莉央はまたキッチンへと戻り、作業へと戻る。
高嶺がいつ帰ってくるかわからないので、ご飯が炊き上がったらおむすびを作ることにした。