「ん? どうし……」
外を見て、ガタリと立ち上がる。
グラウンドの真ん中で、園田くんが倒れていた。
周りにいた陸上部の部員や顧問の先生が、大声を上げながら駆け寄って行くのがみえる。
園田くんが、倒れた。
「先輩! あれ!」
「行って来る!」
スケッチブックを放り出して、私は部室を飛び出した。
靴を履きかえるのももどかしくて、上履きのままグラウンドに駆けていく。
「園田くん!」
「ヒィちゃん!」
他の生徒が囲う中で、穂積くんが私に気付く。
駆け込んだ私を受け止めた穂積くんのその顔色は真っ青だった。
「何があったの⁉」
「野球部の球が、頭に直撃。意識無くって、今救急車待ってる」
「嘘!」
足が竦む。血の気が引いた。
それでも人を掻き分けて、園田くんに近づく。紙みたいに真っ白な顔をした園田くんが倒れていた。
「避けろって言ったんだけど、杏里は少しフラフラしてて。寝不足だったみたいだし、反応が遅れたんだ」
「園田くん……」
ほっぺたに触ると、こんなに暑いというのにひんやりしていた。
以前より少しこけた頬。
それは、美月ちゃんが死んでしまってからだ。
無理を、していたんだ。ずっと。
「園田くん、しっかりして……!」
遠くに救急車の音がした。
外を見て、ガタリと立ち上がる。
グラウンドの真ん中で、園田くんが倒れていた。
周りにいた陸上部の部員や顧問の先生が、大声を上げながら駆け寄って行くのがみえる。
園田くんが、倒れた。
「先輩! あれ!」
「行って来る!」
スケッチブックを放り出して、私は部室を飛び出した。
靴を履きかえるのももどかしくて、上履きのままグラウンドに駆けていく。
「園田くん!」
「ヒィちゃん!」
他の生徒が囲う中で、穂積くんが私に気付く。
駆け込んだ私を受け止めた穂積くんのその顔色は真っ青だった。
「何があったの⁉」
「野球部の球が、頭に直撃。意識無くって、今救急車待ってる」
「嘘!」
足が竦む。血の気が引いた。
それでも人を掻き分けて、園田くんに近づく。紙みたいに真っ白な顔をした園田くんが倒れていた。
「避けろって言ったんだけど、杏里は少しフラフラしてて。寝不足だったみたいだし、反応が遅れたんだ」
「園田くん……」
ほっぺたに触ると、こんなに暑いというのにひんやりしていた。
以前より少しこけた頬。
それは、美月ちゃんが死んでしまってからだ。
無理を、していたんだ。ずっと。
「園田くん、しっかりして……!」
遠くに救急車の音がした。