「なら、いいね。あ。信号変わっちゃった。先行くね」
少し先の信号が、赤から青に変わった。
あの交差点の信号は、中々青にならないのだ。
私は二人に手を振って、走りだした。
「またねー!」
美月ちゃんの、にこやかな声が背中にかかった。
「――ただいまー」
「お帰りー。今日の夕飯は、とんかつだってさ」
交差点から家まで、走って五分だ。
息を切らせて玄関に滑り込んだ私を出迎えてくれたのは、姉の彼氏であるワタルさんだった。
眼鏡をかけた、気の良い笑顔を見せる彼を見て、私はクスリと笑う。
うん、やっぱり私の好みではない。
すごくいい人だけど。
お兄ちゃんとしては、最高だと思うけど。
「ヒィちゃん? どうかした?」
ワタルさんが首を傾げる。
「ううん、なんでもない。すぐ着替えてくるね!」
私はぷるぷると首を振って、急いで部屋に向かったのだった。
少し先の信号が、赤から青に変わった。
あの交差点の信号は、中々青にならないのだ。
私は二人に手を振って、走りだした。
「またねー!」
美月ちゃんの、にこやかな声が背中にかかった。
「――ただいまー」
「お帰りー。今日の夕飯は、とんかつだってさ」
交差点から家まで、走って五分だ。
息を切らせて玄関に滑り込んだ私を出迎えてくれたのは、姉の彼氏であるワタルさんだった。
眼鏡をかけた、気の良い笑顔を見せる彼を見て、私はクスリと笑う。
うん、やっぱり私の好みではない。
すごくいい人だけど。
お兄ちゃんとしては、最高だと思うけど。
「ヒィちゃん? どうかした?」
ワタルさんが首を傾げる。
「ううん、なんでもない。すぐ着替えてくるね!」
私はぷるぷると首を振って、急いで部屋に向かったのだった。