「もしもし?」

誰だろう?

つい最近聞いたような……?

『心配させないでくれよ。なにかあったのかと思っちゃうだろ』
この話し方……。

「あの、どなたですか?」

そう尋ねると、
『ああ、失礼。中央署の鏡です』
と、答えた。

「えええ!? 鏡さん、なんで私の番号知ってるの?」

つい大声が出てしまい、後ろで話している3人が会話を止めて私を見ているのがわかった。

『僕はこう見えても刑事だよ。簡単に携帯の番号くらい調べられる』

あっさりとそう言う鏡に、私は声のボリュームをしぼって、
「そういうのって職権乱用って言うんじゃないの? 個人情報保護って知らないんですか?」
と、抗議する。