なかなか先輩はコンビニから出てこなかった。

土曜日の昼過ぎ。

田舎のせいか、町でひとつしかないコンビニはにぎわっていた。

原付にまたがり、俺___田中哲也は大あくびをした。

最近、異様に寝つきが悪い。

原因なんて考えるまでもない。


山本純子、全部あいつのせいだ。


自殺するまえに俺の名前を言いやがって。

しかも、襲おうとしたことまでバラした。

あれから、千夏はどこか態度が冷たい。

「ま、いいけどさ」
そう呟いて、肩をコキコキ鳴らす。

千夏とは正直あんまり合わないし、そろそろ潮時だったから。