保健室で応急処置を済ませた京介は、原田先生に連れられて病院に。


叫んでいた割には、傷はそんなに深くはないけど、念の為にとの事だ。


校医の先生が付き添うと言ったけれど、ナニかを見てしまった京介の事を考えて原田先生が。


結局、私達の行動の理解者がいなくなってしまい、自由に動けなくなった私達は、家に帰る事を余儀なくされてしまったのだ。


「桐山さん、家にお邪魔して良いかしら?一人でいるよりも、二人でいた方が良いような気がするの」


鏡に気を付けながら家に帰る途中、ニタリと不気味な笑みを浮かべて影宮さんが呟いた。


「え?うん、それは良いけど……どうしたの?昨日はそんな事言わなかったのに」


まあ、調べ物があるって言ってたし、今日は普通の態度だったから、嫌われたわけじゃないというのはわかっていたけど。


こんな状況だから、一人よりも二人でいた方が良いのは間違いないから、断る理由なんてない。


「……私はまだナニかを見ていないけど、桐山さんは見ているから心配なのよ」


少し言うのが恥ずかしそうに、目をそらして呟く。


……なんか、ちょっと可愛いな。


いつもは冷静で、感情をあまり表に出さない影宮さんの照れた姿は新鮮だった。