しばらくして、駿と雅哉が戻って来た。

走っていたのだろう、息を切らせて座り込む。

「どこにもいねぇ」

雅哉が悔しそうに言う。

「そ、そんなことあるわけないじゃん!」

七海が椅子に座ったまま大きな声を出した。

「いねぇもんはいねぇんだよ!」

「じゃあ、どこにいるのよ!」

「しらねぇよ!」

雅哉の怒鳴り声に、一瞬驚いた顔をした七海がまた泣き出す。

それを見ていた紗栄子が、「みなさん」とみんなの顔を見渡した。

「とにかく、スタッフを呼びましょう」