「紗栄子、行かないの?」

七海がそう尋ねると、紗栄子は、
「できれば行きたくないです」
ときっぱりと言った。

紗栄子は無口な人だとばかり思っていたが、このグループにおいては普通にしゃべっているように思える。

心を許したメンバーとはしゃべれるのかな。


私はメンバーじゃないから、そんなこと知らないわけで・・・。

「じゃあ、置いて行こうぜ」

雅哉はもう歩き出そうとする。

その時、それまであまり口数の多くなかった駿が声を発した。

「待てよ。それはダメなんじゃないか?」