そこは、遊園地の入場ゲートを入ったところだった。

「ありえない。こんなこと・・・ありえない」

目をつぶって夢から覚めようとするが、音楽は鳴りやまなかった。

向こうから、クマの着ぐるみが元気よく行進してくる。

片手を口にあてて、ふたりに手を振って・・・。


「そんな・・・」

藤森の目が見開いた。



___ジジッ キィ



金属音の後、アナウンスが流れた。