彼を見ると幸せな気持ちになれたし、からっぽだった容器が埋められるような気分になれた。

彼になにかを求めてはいけないことは分かっていた。

だから、私は彼を見るだけでよかった。


そう、見ているだけでよかったのに。


いつしか私の表情が態度に出ていることをからかわれ、駿には「しゃべんなブス」とまで言われた。


そして、いじめがはじまった。


「私が死んでも、笑っているんだろうな」

この世に呪いがあるのなら、あいつらに復讐してやりたい。

恐怖を味あわせてから、ひとりずつ殺してゆく。