「自分が彼らを殺したことを認めたくない? そんな優しい性格だから、余計につけこまれるんだよ。でも、あの夜の私たちは彼らへの憎しみのかたまりだった」


もう下沼さんは、『あなた』ではなく『私たち』と呼んでいた。


なにも答えない私に、彼女は続ける。

「駿君を好きになっただけなのにね。それだけなのに、みんなはあなたをからかった。はじめは冗談ぽく。最後には壮絶ないじめとして。受けたいじめの分だけ、私たちはみんなを恨んだ。心の底から憎んだの」

ゆるゆると下沼さんを見る。


下沼さんは少し悲しそうな表情。