どれくらいそうしていたのだろう。

ゆっくり顔を上げた下沼さんが、うつろな目で起き上がる。

その顔は呆けたようにぼんやりとしている。

やがて、手に持ったロープを見つめる。

暗闇の中で、下沼さんは言う。

「・・・もう、死んでしまいたい」

そう口にすることで、それが正しいことのように思えた。

日々、下沼さんに対するいじめはエスカレートをしていた。

彼らは、もう泣いてもわめいても、まるで人間じゃないものを相手にしているように扱った。

彼女が騒ぐほどに、笑い声を出してそれを続けていた。

夏休みに入ってホッとしたのもつかの間、こうして呼び出されてはいじめられていた。


雅哉だけじゃない。


七海も、陽菜も駿も・・・。

そして、萌絵。