「あいつが、七海たちを殺したのか?」

低音になった雅哉の声。

その横顔が、険しくなってゆく。

「雅哉君、危ないよ」

勇気を出して言ってみるが、反応がない。

握りこぶしを固くし、その表情がどんどん怒りに変わってゆく。

「おい、やめろよ」

雅哉がなにをしようとしているのか理解したのだろう。

駿がその肩に手を置くが、すぐに振り払われた。

「お前らは逃げろ」

低く言う。

「そんなことできるかよ」

駿が反発するが、
「いいから、行け!」
と、怒鳴る。