「キャッ」

回転に足をとられ、七海が激しく転んだ。

そのまま馬にぶつかる。

夢くんがそれに気づき、首をかしげている。

「夢くん」

立ち上がった七海の頭部からは血が流れていた。

それでも助けを求めて、七海は立ち上がろうとしている。

どんどん早くなる回転のなか、もう夢くんの姿は流れていく残像のよう。

景色が溶けてゆく。

「七海さん、戻ってください!」

私も大きな声で叫ぶ。

「戻れ、七海!」

雅哉も。

「七海!」

駿。