「いや、あのほら、普通はさ、靴下って、左右おなじ色おなじ柄のやつ、履くよね?」



「………はぁ。手に取ったのがこの二つだったんで」




―――あれ? 

なんか会話が噛み合わないぞ。




「………ええと。なんでセットで履かないの?」




内心で首を傾げつつ、それでもなんとか微笑みを保ったままで訊ねると。




「探すのがめんどくさいからです」





南くんはきっぱりと言い切った。




そっかあ。

確かに靴下の相方を探すのはめんどくさ………くないよね!? べつに!!




そりゃ、洗ったときにバラバラになっちゃうけど、干すときにセットにするよね!? ふつう!!



そうじゃなかったら、洗濯物とりこむ時にセットにして片付けるよね!?



あたしの洗濯方法、べつに変じゃないよね!?




………なんか、こいつ変!


―――というのが最初の印象。




そして、その第一印象は当たっていた。