「そんなのどうしようもないじゃない。武司さんの性格だったら、家に乗り込んで来るかもしれないし」
考えただけでもゾッとする。
安心できる家の中で襲われてしまったら、逃げ場なんてないじゃない。
「それは大丈夫だと思うわ。それならとっくに来てるはずだし、恐らくこの家が分からないんじゃないかしら?」
あ、そうなんだ。
そういえば私も、明日香さんとか高広さんの家は知ってるけど、結子さんの家は知らないからなあ。
そんな感じなのかな?
まあ、何にしても美紗がいたら大丈夫かな?
なんせ赤い人とバシバシやり合えるくらいだから、武司さんくらいどうとでもなるでしょ。
「とりあえずさ、武司さんに会わないように学校に行けば良いんでしょ?」
何にしても、皆と話をして、カラダをどれだけ回収したのか聞かなきゃならないし、この事も話さなきゃならない。
部屋着を脱ぎ捨て、制服を手に取るとそれに着替え始めた。
「……相変わらず無鉄砲ね。勇気があると言った方が良いかしら?」
ベッドに横になる美紗の顔は見えないけど、たぶん笑ってるんだろうなあ。