携帯電話で照らされた私の左腕は、動かしている感覚はあるはずなのに、ひじから先がなくなっていたのだ。
ドクドクと流れる血が、ドアを赤く染め上げて、左腕を失った痛みが一気に脳まで駆け上がる。
「嘘、嘘! 腕が……腕がないっ!」
痛みにもだえて、泣き叫んでいると……さらに、左脚にも衝撃が走った。
今度は左脚!
何度立ち上がろうとしても、片脚がない状態では、それもできない。
いっその事、気絶してほしいのに。
それすらも、カラダ探しではさせてくれないのかな。
片側の腕と脚がないけど、最後まで私にできる事をしないと。
ろくに動けない状態になりながらも、必死に机と机の間を這って、教室の前へと向かった。
だけど……。
「アハハハッ! お姉ちゃん面白い!」
その声に、ハッと机の上を見て、携帯電話を向けるとそこには赤い人の姿。
私の腕と脚を両手に持って、ニヤニヤと笑みを浮かべている。
痛みが全身を駆け巡り、もうここまでだと判断した私が考えた事は……。