「・・・正輝君」

「僕は死んでから、ずっといじめてたやつへの恨みで、ここから動けなかった。でも、桜と出会って、やっと穏やかな気持ちになれたんだ」

「・・・」

守がうつむく。

「君の苦しみはすごいものだろう。僕なんかより、ずっとつらい思いをしてきた。でも、桜の言う通り、もう終わりにしよう」

「・・・僕は、僕はっ・・・」
守が耐え切れずに嗚咽を漏らす。

「守君・・・」

私は守を抱きしめた。


まるで幼い弟をあやすように。