CV:奏多/間瀬愛季(ませあいき)
【プロフィール】
リマックス所属。主な出演作にゲーム『ぷよぷよ!!クエスト』『モンスターストライク』など。アニメ、吹き替え、Audibleのほか、舞台やテレビドラマまで多方面で幅広く活躍中。
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著者の冬野夜空さん、オーディブルにてナレーターを務めた間瀬愛季さん、白川聖さんとの対談を4週連続で連載公開。著者とオーディブルナレーターのおふたりに本作の魅力をお伺いします!

間瀬愛季さん
【プロフィール】
リマックス所属。主な出演作にゲーム『ぷよぷよ!!クエスト』『モンスターストライク』など。アニメ、吹き替え、Audibleのほか、舞台やテレビドラマまで多方面で幅広く活躍中。

白川聖さん
【プロフィール】
ケンユウオフィス預かり所属。主な出演作にゲーム『けものフレンズ3』など。アニメ、ゲーム、吹き替え等で活躍。趣味は日本酒や野球観戦。
2019年『満月の夜に君を見つける』にてデビュー。『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』は累計30万部を突破し大ヒット。『すべての恋が終わるとしても』シリーズは累計60万部を突破し2025年10月にドラマ化(すべてスターツ出版刊)。
インタビュアー:では、早速始めていきましょう。
作品を読んでみて、第一印象を間瀬さんと白川さんにお伺いできますか?
まずは、間瀬さんお願いします。
間瀬:第一印象というか、読んだあとの余韻が凄かったですね。
ただ悲しいだけでもないし、ただハッピーなわけでもない。本当にいろんな感情が綯い交ぜになって、赤外線みたいにじわーっと体に広がってくる感覚でした。
読み終わった後も、1時間くらいソファの上でぼーっとその余韻に浸ってましたね。
本当にこう、「あー綺麗だな、美しいな」っていうのが、一番最初の印象でした。
インタビュアー:Audible収録の際にも、短い期間に一気に読んでくださったとおっしゃってましたね。
間瀬:オーディションなので、すぐに読んだんですよね。
オーディションで読まなきゃいけないってなると、仕事として読むので、一読者としての目線は、一旦置いておくんです。
でも、気づいたらもう読者としてポンポンポンポン読み進めてしまって。
それで、奏多と連絡が取れなくなった第3章の初めで、「あ、読めない。一旦、一旦待って」ってなりました(笑)。
インタビュアー:「一旦、ちょっと落ち着かせて!」みたいな?
間瀬:「しんどいしんどい、先生なんての書くんだ」って思いましたね。
そこで少し心を落ちつかせたんですけど、結局、読むのを再開したら、止まらなくなってしまって……。
結果的に「美しい」みたいな感じの読後感になりました。
インタビュアー:ありがとうございます。では白川さん、いかがでしょうか?
白川:私もすごく綺麗なお話だなって思ったんですけど、それ以上に、苦しいなと思いました。
最初の方は、すごく爽やかな青春モノで、こっちもワクワクドキドキしながら読んでたんですが……。
間瀬さんもおっしゃってましたけど、奏多がいなくなってから、ガラッと変わって、現実を少しずつ突きつけられてる感じが、胸をすごい締め付けられました。
でも、その苦しみと向き合ったからこそ、最後まで二人で一緒に楽しい思い出を作っていけたのだろうし、それで救われたのかなって思います。
インタビュアー:ありがとうございます。
冬野さん、お二人の感想聞いてみていかがですか?
冬野:今回の対談が発売前なこともあって、本作の感想もらうのが初めてなんですけど、すごく嬉しいですね。
それと、これは収録を見学した感想になっちゃうんですけど。
普段からAudibleを聞いているので、自分の作品で、すぐそこで演技されてるんだっていう実感ができたのも、すごくうれしかったです。
ドラマの撮影の見学はしたことはあるんですけど、ドラマとはまたちょっと違った感じで新鮮でした。
ドラマの方が「人」っていう感じがしていて、逆に声優さんはキャラクターになりきって演じられていると思うので、声優さんって実在するんだ!みたいな感覚がありました(笑)。
間瀬:あはは。でも、僕らも結構そうですよ。
実際スタジオ行って、めっちゃ自分が目指している人がいたら、「いたんだ!」みたいな(笑)。
それは僕らもありますね。
冬野:引っ越しの合間を縫って来てよかったです!
間瀬:ちょうど引っ越しのタイミングだったんですね。
今まではどちらにいらっしゃったんですか?
冬野:元々東京いたんですけど、作品書いてる間に日本のいろんなところ回って、いろんなとこ住んで、最終的にまた戻ってきました。
お話もらった時は東京にいて、書き始めた時には博多にいて、書き終わった時は東北にいたかな?
白川:ええっ! そんなに引っ越したんですか?
冬野:そうなんです。今回のお話にも活かされていた部分があるかもしれません。最初、地方から始まって、上京する流れが本作にもありましたし。
インタビュアー:では続いてキャラクターについてお伺いしていきたいと思います。
間瀬さんには奏多、白川さんには瑚子のキャラクターの印象。お伺いしてもよろしいでしょうか?
間瀬:奏多って、後から一目惚れだったことが分かるんですけど、最初から瑚子に対して、アタックが凄かったじゃないですか。
その中で、中学生なのに意中の女の子に「素敵」っていう言葉をめっちゃ使ってるんですよ。
正直、「マセてんなお前!」って、思いましたね。
(一同笑い)
間瀬:めちゃくちゃ大人びてる!
アタックの仕方も「押してだめなら押し倒せ」って言ってますけど、その言葉遣いもすごいなと思いましたね。
僕が中学生で意中の女の子相手だと、ただ恥ずかしがって終わっちゃう気がするんですよね。その方が、等身大ではあると思うんですけど、だからこそ奏多には「お前~!」ってなりましたね!
インタビュアー:確かに、冬野さんの描く主人公のかっこよさが出てますよね。
冬野:こういう男の子自体は、書き慣れてるかなと思うんですけど……。
でも、ここまで積極的な主人公多分初めてですね!
今までは少し内気寄りで、女の子に振り回される中で、女の子の隙をつくような、カッコつけ方する子が多かったので。
だけど、今回はもう押し倒しにいってますからね!
間瀬:でもだからこそ、例えば告白をするとか、関係が進む時は、少し怖がってしまう部分もありますよね。
弱さというとちょっと言い方悪いかもしれないですけど、女々しさみたいな部分もちょっとあって。そこが僕としては、「おー可愛い部分もあんじゃねえか、お前」って共感できるポイントでもありました。
それからは、一気に親近感が、湧きましたね。
奏多が躊躇してるタイミングでは、瑚子からのアプローチがある、いい関係ですよね。
間瀬:あと一番「うわ、そうだよ、分かる」ってなったのは、最初に瑚子と出会った時ですね。
夏祭りに向かって人がたくさん集まってる中、それを見て、じゃあ自分は注目されてないからこそ、裏山行こうってなるところ。
自分で、天邪鬼とかあんまり言うの恥ずかしいですけど、僕もちょっとその毛があって。「注目されてるんだったら、ちょっと自分は……」みたいなところが、すごく共感できました。
だからこそ、すっと最初から入っていけたのかなって思います。
インタビュアー:なるほど、奏多について伺って、いかがですか? 冬野さん。
冬野:もちろんある程度キャラクターの設定みたいなのは決めてから、書き始めるんですけど、そういう積極性だったりとか、女々しさだったりとかは、細かに決めて書いてるわけではないんです。
でも、改めて言葉にしてもらえると、「そうだったんだ」みたいな納得感がありますね。
奏多はこうやって生きてたんだなっていう実感がわくというか……。
インタビュアー:キャラクター自体も、読者にゆだねられている部分があるということですね。
では続いて瑚子について、白川さんいかがでしょう?
白川:私はもう本当に、瑚子ちゃんは強い人だなっていうのが一番の印象でした。
自分自身も祖母を認知症の末に亡くしてるんですけど、当時、私がまだ学生だったのもあり、なかなか受け入れるのが、難しくて……。
記憶がなくなっていくのを感じられる瞬間だったり、病気ゆえのすれ違いみたいなのを怖いなと感じて苦しかったので、その時の気持ちはすごく共感できましたね。
でも、瑚子ちゃんはしっかり向き合うと決めたなら、自分にできること、自分だからできることっていうのを、ひたすらやり続けていく。その姿が、もう本当にたくましくて強いなって印象でした。
実際に描かれている部分では、彼女の強さがメインに描かれてて、弱く見えるシーン自体はあまりないですけど、彼女が超記憶症候群で悩まされていた過去があったからこその、強さだったなとも思います。
彼女の強さに私も元気をもらいましたね。こういう答えもあったのかもしれないなって。
インタビュアー:大切な人に自分が忘れられてしまうなんて、その立場になると正直受け入れづらいものですよね。
冬野:正直、収録があると聞いたとき、瑚子を演じる方は大変だろうなって思ってました。
強さももちろんですけど、おかれている状況はかなり特殊だと思うので!
(一同笑い)
インタビュアー:確かに瑚子の置かれた状況はかなり難しいですね。
では、次はヒロインの瑚子について、もう少しお伺いしていきましょう!
インタビュアー:本作のヒロインの瑚子。彼女は超記憶症候群という病を抱えています。
それが、瑚子だけでなく奏多にも影響を与えていくキーになるのですが、みなさんがその状況でしたら、どうだったかお伺いしたいと思います。
間瀬:すこし作品からは、離れちゃうんですけど……。
例えば推理モノとかで、こういった能力を持った人が出てくると思うんですけど。見た映像や過去の記憶の中に違和感を探して、事件を解決するみたいな。
やっぱり男の子としては「かっけえ!」と思っちゃいますね。めっちゃいいじゃんみたいな。
それこそまあ、あの瑚子はそれをちょっと嫌な記憶としていましたけど、僕だったら「テスト満点だしみたいな。余裕じゃん」みたいに思ってしまうかも。
「海外の超いい大学とか行っちゃうけど?」みたいな?
それに比べて、この作品を通して、この能力のことを考えちゃうと、自分の浅はかさを反省しますね(笑)。
白川:いやでも私も同じです。私も絶対テストで無双しようとしてました。
間瀬:いやそうですよね? 学生時代って大事ですから!
いやぁ……、この作品に触れさせてもらえたことで、もう少し多角的な視点をちゃんと持たなきゃだめだなって感じましたね。
すごく気づかされたというか改めて、教えてもらったなっていう感覚です。
インタビュアー:ありがとうございます。
確かに、自分も安易な方向にリアクション取ってしまいそうです。
なかなか、本人の立場になるのは難しそうですね。
間瀬:それに、瑚子の精神的な強さには、根っこにこの能力があったからだと思うんです。
もちろん会えなかった期間とかも全部つらい記憶もある、会えないってさみしさもある、連絡が返ってこない、僕らも身近じゃないですか。
レベルは違いますけど、自分たちの日々の中にも不安になることとかめちゃくちゃたくさんあって。
それが何年も続くと想像すると、絶望だなって思います。
でもこの能力があって、良いものも全部同じように思い出せるってことが支えになっていた。だからこそ瑚子は乗り越えてこられたし、強くなってこられたってところがあると思います。
この能力なしで、僕が瑚子と同じような立場になったら、僕はたぶん、数日でドロップアウトします(笑)。
(一同笑い)
間瀬:だから読んだときに瑚子やる人、大変だろうなって(笑)。
あまりにも自分に置き換えて想像ができないっていうか。想像を絶するしんどさだと思ったので。
インタビュアー:とても長い期間待ちつづけてますもんね。
白川さんもいかがでしょうか?
白川:そうですね。
ポジティブに解釈するなら、瑚子みたいに何も忘れられないなら、私はいろんな図鑑を丸暗記したいですね。
さきほど話した祖母が、本当に物知りな人だったんです。
特にお花とか虫とかにすごい詳しくて、山とかに行ったときに「綺麗なお花あったよ」とか、「おもしろい虫見つけたよ」って言ったときに、すぐ「これじゃない?」って言ってくれるんですよ。
写真を見せれば一発で当ててくれるし、特徴とか色とか聞きながら、心理テストみたいにぐんぐん近づいて行って、最終的にピタって答えを見つける感じもスゴイかっこよくて。
種類だけじゃなくて、「このお花はこういう時期にこんなところで咲いてね」とか「この虫はこういう風な習性あるんだよ」とかも教えてくれるのが、すごく好きだったので、そんな物知りおばあちゃんに私もなりたいなって。
インタビュアー:とてもポジティブで素敵ですね!
逆に、ネガティブな方向に考えるとどうでしょう?
白川:そうですね……。私は瑚子みたいに何年も待てなさそうだなって感じちゃいます。
数ヶ月でリタイアしちゃうんじゃないかな。
たとえどんな関係だったとしても1週間2週間も連絡が返ってこなかったら、嫌われたんだろうなって思っちゃいますもんね。
もちろん家族とかなら切れない縁みたいなのがあるので、待ち続けるでしょうし、どっかで会えるだろうみたいなのはあるのかなって思うんですけど。
やっぱり当時の彼らってあくまで他人なので、もうそれぞれの人生を選んだんだって思ってしまいそうです。
インタビュアー:ありがとうございます。
では冬野さんにも伺いたいんですが……。
瑚子は奏多と再会した後は、すごく強くなっていると思います。ただ、逆に離れ離れになった時は、一番弱くなってもおかしくないところだと思うのですが、瑚子はどうしてここまで奏多を追い続けられたんでしょうか?
冬野:そうですね。
まず作品としてっていう話をするのであれば、この作品に限った話ではなく今までの作品全部なんですけど、ヒロインは大体、著者である自分の理想が描かれてるんですね。
だから、強くなくてはならないんです。
作家としての回答はこんな感じなんですけど……。
実は、個人的に見ると、追い続けたっていう点は瑚子の強さとは思ってなくて。
インタビュアー:逆に?
冬野:というのも、すごい言い方悪いですけど、瑚子って依存してるんです。弱いからこそ奏多に縋ってるというか。
もう人生で自分に深く関わってきた人間が、奏多しかいませんってなった時に、他の人を探せるって、瑚子本人は思わないんです。だからこそ奏多に依存してて、奏多しか見えてない。奏多しかいないから東京まで追いかけてしまう。
そういう形で、「もう奏多がいない人生は無理だ」の感覚で生きてるのかなとは思うんですよね、そこのタイミングでは。
インタビュアー:なるほど。
では、強さとして見えることもあれば、むしろ逆に弱さの象徴かもしれない、と?
冬野:視野が狭くて選択肢が少ないと、そうなっちゃうんですよね。
「自分は不幸だ」って思ってる人って、視野が狭くて不幸の道しか見えてないって人が結構多い気がするんです。なので多分、瑚子もそっち系になってる。
だからこそ、長い間思い続けられたのかもしれません。
インタビュアー:興味深いですね。ありがとうございます。
では、長い期間追い続けていたという話も上がっていましたので、続いてこの話題に行きたいと思います。
インタビュアー:本作は15年ほどの長い期間を描いています。
皆さんにもなにか長期にわたって追い求めてきたことなどはありますか?
じゃあ今度は冬野さんから。
冬野:自分から!?
インタビュアー:不意打ちしたら面白いかなって。作家業、何年目でしたっけ?
冬野:う~ん、7年?
インタビュアー:同じテーマを長く書かれているところもあるかなと思ったんですけど、そのあたりは長く追い求めているって感じではないんですか?
冬野:確かに。長く追い求める……。
追い求めてって難しいですね。追ってるていうと、それこそ声優さんとかずっと好きなんですよ。高校生ぐらいから。
実はもともと声優になりたかったんです。
白川:そうなんですね!
冬野:でも、「専門学校大変そうだな」とか「技術を身に付けるの大変そうだな」って思っちゃって……。
それに比べると、小説はなんか専門的な分野というよりは、一応誰でも書けるじゃないですか。
インタビュアー:た、確かに……? そうですかね?
冬野:専門のことされてる方は、その道に行って、実力を身に付けないといけない。でも小説は書いてみること自体はできるし、ワンチャンあるかなって。
なので、早く結果を求めたかった結果、小説になっただけなんです。
インタビュアー:自己表現をしていて一番上手くいって、すぐに結果が出たのが小説だったってことですか?
冬野:しかも書いたジャンルももともと青春恋愛じゃなかったんで。
インタビュアー:確か元々はファンタジー書いていたとか……?
冬野:そうなんです。
ただ、ファンタジー難しいなと思って、気分転換に恋愛書いてみようって思ったら、それでデビューになってという感じです。
もちろん、声優さんが好きでアニメも見ていたので、そのインプットが小説に活きてるところはありますね。
インタビュアー:なるほど、気分転換で得意な分野を見つけたってことですね。ありがとうございます。
では、続いて白川さんいかがでしょうか?
白川:私はそれこそ声優という職業についてになっちゃいますね。
まずこの職業を知ってなりたいって思ったのが、小学生の時で、その時は環境もあって難しかったんですけど、10年越しぐらいに自分でやっと一歩踏み出せるってなった時はもう本当に泣くほど嬉しかったです。
まだ所属になる前ではあったんですけど、何かやっぱりやっと夢に近づけたっていう時は、もう本当に今まで諦めなくてよかったって。
その時の自分が報われた気がしたので。
インタビュアー:やはり、長くなれば、想いも強くなりますもんね。ありがとうございます。
間瀬さんはいかがでしょうか?
間瀬:すごいこんなまっすぐな話を聞いたあとで大変申し訳ないんですけど(笑)。
ずっとってなると、ちょっとラーメンしか出てこなくて。
(一同笑い)
間瀬:ラーメンはもう小学校の時からずっと大好きで、いろんなお店に行ってまして……。でコロナ禍で家から出られなくなった時は、もう自分で一から全部作ってみたいなこともして。
白川:え、すごい、すごい。
間瀬:必死に考えたんですよ、必死に考えたんです!
でもでもラーメンしか出てこなかったです!
インタビュアー:でもラーメンには魔性の魅力がありますもんね?
間瀬:本当に、世界で一番美味しいと思ってて。
白川:確かに。極めがいありそうですしね。
間瀬:そうですね。
僕の中ではラーメン店って、お店側からしてコスパが良くないんだろうなって思ってて。
特に今はお客さんが求めるクオリティとお店側が出せるコストがもう全然見合ってない商売の最たる一つだと思っているんです。
僕はもう2000円でも3000円でも別に美味しかったら出すんですけど。
だからこそ、本当に好きな人が店をやってるんですよ。
本当にラーメンというものを好きでやってる人たちなんで、尊敬でしかないんですね。
インタビュアー:すごい。自分、全然何も考えずにいつも「あ、おいしい」と思いながら食べてるだけです……。是非ラーメンが出てくる作品に携わってほしいなと思いました。
間瀬:今か今かと待ってます(笑)。
インタビュアー:では、続いてそんな長い思いを抱えてきた瑚子と奏多。
その二人の行く末についてお伺いしていきます。
インタビュアー:では、続いてそんな長い思いを抱えてきた瑚子と奏多。
その二人の行く末についてお伺いしていきます。
正直、本作の「泣き所」や心が揺さぶられたシーンがあればお伺いしたいです。
インタビュアー:では白川さん!
白川:私はやっぱり最後の奏多の手紙のシーンが一番でしたね。
その中でも特にやっぱ瑚子が、もう初めて愛(いと)の前で涙を流したシーンは、もう本当に、こらえきれませんでした。
収録前に練習は何度もするんですけど、何度練習してもそこのシーンだけは泣いちゃって、どうしてもこらえきれないところがあって、もう本番も収録スタッフの方に「ちょっと私泣いちゃうかもしれないです」って言いながら、収録しました。
でも、今までの瑚子の強さを作っていたのも奏多だし、彼女の弱さを解き放ったのも奏多なんだなって思うと、ぐっときましたね。
本当に彼女は奏多ありきの人生で、奏多なしではいられない存在だったんだなっていうのが強く感じられてよかったです。
インタビュアー:ありがとうございます。では間瀬さんいかがでしょうか?
間瀬:はい。
これ、あとで冬野先生に伺おうと思ってたことでもあるんですけど。
登場人物に嫌な人が出てこないんですよね。
常に誰かが誰かに対してちゃんと思いやりを持って、寄り添おうとしているっていう心を寄せようとしている人たちしか出てこない。
ページをめくれば、必ず誰かが誰かを想っているんですよね。
僕は読んでて、親との関係性が一番よかったなって感じました。
僕自身は家族仲良好だと思ってるんですけど、瑚子の両親が奏多にかけてくれている言葉とか、それまでのこう何気ない家庭の風景の中で、奏多を受け入れているのが分かるところが、「うわぁ素敵だな」と思いましたね。
瑚子が、特殊な事情の中で生きてこれたのも、このご両親がいたからなんだなって。
もちろん自分たちの子供だから愛が途切れたことは、一度もないとは思うんです。
でも明らかに自分たちとは違うものを娘が持っているっていうのは怖いと思うんです。
そういう怖さも、最初はあったんじゃないのかなと思うし、そういうもの全て乗り越えて、今のこの形があるんだろうなって思うと、素敵という言葉に尽きるなと。
なので家族のシーンは、特に「ああいいな」と思いながら読んでいました。
インタビュアー:ありがとうございます。
冬野さんとしてはいかがでしょうか?
冬野:実は間瀬さんのおっしゃってたことは、すごく意識していて……。
青春恋愛の小説って人の死で泣かせるものが、多いと思うんです。だけど、今の若い子たちはその物事全部をストレスって感じちゃって、手にとらなくなってるって聞くんですよ。
なので、登場人物でストレスになりすぎる人物を出すのは正直マイナスでしかない。
間瀬:なるほど。そんな意図があったんですね。
冬野:嫌なやつが誰もいなくて、みんないい人という点が、評価されてる作品も意外とたくさんあるんです。
だったら、出てくる人は、みんな優しくしようって、最初から決めてたんです。
間瀬:でもだからこそ、今回の話は悲しいお話ですよね。
悪い人がいないからこそ、すごく残酷だし、悪い人がいないからこそ、悪い人のせいにできない。
でも、この話にはそれがないからこそ、すっと入っていきやすいんでしょうね。
人の死がテーマにある作品でも、すごく読みやすいなと思ったのは多分ここが理由だろうなって思っていたので、ちょっと伺ってみたかったんです。
冬野:嬉しいですね。
創作する上で大体の作品って、ヒーローがいて、ヒロインがいてヴィランがいるって形が保たれてるって思うんです。
そんな中、青春恋愛ものって、ヴィランが基本的に「抱えている問題」になるんですよ。だから悪い人が出ちゃうとちょっと要素として多くなりすぎちゃう。なので、優しい世界なのに少し悲しいっていうのが、一番いいバランスだと思って書いてますね。
インタビュアー:ある種、本作は残酷さの際断つ作品でしたね。
ありがとうございます。
インタビュアー:続いてですが、すでにした質問に少し似ているのですが、「もしお二人がそれぞれ登場人物の立場だったら」という質問をさせてください!
まず間瀬さんいかがでしょうか。
間瀬:そうですね。やっぱり天邪鬼なところは共感できましたし、少し女々しい部分、弱々しい部分があったりするっていうのも、共感というか「わかるよ」「そういうのもあるよな」って感じました。
ただ、奏多と同じ状況になったら正直どうなるかはわからないです。相手に対しては誠実でありたいと思うんですけど……。
自分が病気になったら、絶対に連絡を取って、全部説明して、とりあえず自分から別れようって言うと思う。心の中で「別れない」って言ってくれって思いながら!
(一同笑い)
インタビュアー:確かに考えれば考えるほど難しいですね。ありがとうございます。
では白川さんいかがでしょうか。
白川:さっき似た質問で、自分なら諦めちゃうかもって話したんですが……。
瑚子からすると、あまりにも突然連絡がなくなるじゃないですか。
あまりにも一方的なので、納得できない気がしてきました。もちろんいろいろ聞いた上だったら、納得しちゃうかもしれないんですけど……。
すごく突然なので、納得できる理由を聞きたいっていう意味では、瑚子の行動力はちょっと共感できるかも。
捜しに行って、それで「なんでそんなことしちゃったの!」て聞いてしまうかも(笑)。
別の道に進むとしても、自分で選んだうえで進みたいなって思っちゃいます。
インタビュアー:確かに瑚子からすると、一方的に選ばされている感じがしますもんね。
白川:奏多のせいにしたくないっていう気持ちもあると思うので、そういう意味でも捜しに行くんじゃないかなと。
彼女自身も、よかった記憶として残しておきたいでしょうし、(追うことも)彼女の愛情表現だと思います。そういうところは私も同じで納得するまで追い詰めるかも(笑)。
(一同笑い)
インタビュアー:追い詰める(笑)。
でも確かに、奏多にも少し身勝手なところもありましたからね。
続いては、せっかくなので紙の本とAudibleについてお話ししていきたいと思います。
インタビュアー:文字の本とAudibleの違いや魅力についてお話できればと思います。
ちなみに、お二方は普段、読書されますか?
白川/間瀬:します!/はい!
インタビュアー:冬野さんもAudibleを聞くと伺っています。
皆さん両方の魅力を知っているということで、よかったです。
まずは冬野さんに、聞きたいんですが、Audibleはどんな時に聞かれるんですか?
冬野:一番聞くことが多いのは、運動中ですね。
散歩中とか。ジム行くときとか。
インタビュアー:いわゆる「ながら」ですね? 頭にはすっと入ってくるものですか?
冬野:そうですね。重要なシーンは、さすがに落ち着いて聞こうとはなりますが、大体入ってくるんで、ちょうどいいなと思ってます。
インタビュアー:作家さん側から見た時の、Audibleと目で読む本の魅力の違いはありますか?
冬野:一番は、魅力って言っていいのかわかんないですけど。能動的か受動的かですね。
読書って「ながら」ができないじゃないですか。
正直、今の時代不便だなって作家の自分でも思っちゃうことあるし。
それが逆にAudibleだったら「ながら」でできるから、すごいメリットというか、魅力の一つなのかもしれないって思います。
もちろん読書の没入感を優先したい時とかは紙のほうがいいとは思ってますが。
インタビュアー:今回収録しているのを聞いていて、心配にはならなかったでしょうか?
音で細かいニュアンス伝わるのかな?みたいな。
冬野:全然なかったですね。
自分も執筆中、音で考えて書くことが多かったりとかするんで。
人が話しているのをイメージしながら書いてるのもあるので、違和感ないです。
違和感なく演技されてる声優さんがすごいってのもあるんですけど。
逆に話してる間合いとかが、自分の解釈と少し違ったとしても、それぞれの解釈が聞けて面白いなって思います。
文字の本だと読み手に託されてる部分だとは思うんですけど、意外と人それぞれ間合いの取り方が違ったりします。
託されてる部分が声優さんに委ねられるのも、一味違っていいかなと。そこは魅力だとは思いますよ。
インタビュアー:ありがとうございます。
確かに、空気感やリズムの違いはありそうですね。
では、普段からAudibleの収録をされている間瀬さん白川さんのお二方は、文字の本とAudibleの違いについて、どう思われますか?
間瀬:違いという話ではないかもしれませんが、自分が大事にしているというか、気をつけていることは、自分自身の主観と客観のバランスですね。
読書の良いところは、100人読んだとしたら、100人の頭の中にそれぞれの世界が描かれていく部分があると思ってるんです。
それぞれの思い描くキャラクター性があって、それぞれの情景描写がある。それに比べて、アニメやドラマ、映画っていうのは全部作り手側の主観が強くなります。
「これが答えです!」っていうことになるじゃないですか。
この違いは大切だなと思っていて、その点も踏まえて僕はAudibleは、あくまで聞く読書っていうスタンスを大事にしているんです。
なので、それぞれ聞いてる人たちの世界っていうものは崩しちゃいけない。こっちの押し付けになってはいけない。フラットに行かないといけない、みたいなことを考えてます。
ただ、答えを提示するのは違うけど、ながら聞きをされる方が多いので、ずーっとフラットに読むだけでは、聞き流していつの間にか終わってた、ってなっちゃうと思うんですよね。だから、その補助をするイメージをしてます。
世界観を思い描く補助をするために、僕らは「なんとなくこういう空気感だよ」、「こういう情景だよ」、「こういう人だよ」っていうのは伝わるようにしています。
だから、ゴリゴリに自分の解釈は入れないし、お芝居もゴリゴリにはやらない。
ただ、なんとなくこういう感じだよ、って補助をするのが、僕の仕事っていう風に思ってやってます。
インタビュアー:ありがとうございます。
読書としての楽しみは損なわないようにということですね。
では、白川さんいかがでしょう。
白川:私もほとんど同じような感覚で、あくまで補助っていうイメージですね。
加えて意識しているのは、セリフもあくまでナチュラルにっていう部分ですね。
どこかで起こっているようなお話っていう感覚がいいかなと思っていて、そのリアリティみたいなもを、私はすごい大事にしてます。
聞いてる方が、どんな解釈しても、そこに枝分かれができるように、あくまでナチュラルを意識していますね。
冬野:めっちゃおもしろいですね。普段そんなことを考えながら聞いてなかったので。
間瀬:もちろん作品によるとは思いますけどね。ファンタジーものとかになると、やっぱりお芝居もだいぶ鮮やかになりますし。
インタビュアー:ありがとうございます。
文字と音どちらも同じ読書ですが、少しだけ違う読書体験を楽しんでいただきたいですね!
第3回は6月19日(金)に公開予定です。お楽しみに!