妙原奇天さんの作品一覧

できるふり、できないふり

総文字数/81,206

ヒューマンドラマ15ページ

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同じ「自閉症スペクトラム」を抱えながら、真逆の方向に生きる二人。 安西直は「障がい者らしく見せる」ことで社会に居場所をつくろうとし、 鈴木優成は「健常者のふり」をやめて、自分として生きようとする。 ある福祉イベントで出会った二人は、互いの仮面を映し合う鏡のように惹かれながら、 それぞれの「本当の声」と「生きづらさ」の正体を見つめていく。 ――“ふつう”とは、誰のための言葉なのか。 ◆登場人物 安西 直(あんざい なお)  24歳。体は女性だが心は男性。ASD特性あり。  「おどおどキャラ」を演じて社会に合わせるが、自分が偏見を再生産している気がして苦しい。  内面では、淡々と論理的に自己観察を続けている。  外では小動物のように振る舞う。 鈴木 優成(すずき ゆうせい)  28歳。ASD特性あり。診断を受けて「やっと名前がついた」と安堵。  仮面を脱いで生きようとするが、社会は「努力不足」と冷たく突き放す。  安西と出会い、「演じる」ことの意味を再考する。 古川 理紗(ふるかわ りさ)  イベントスタッフ。非当事者。  “優しさ”の裏に無意識の差別がある存在として配置。
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