他の施設もざっと見学をしたが、どの施設に行っても陛下は満足そうにしていた。
そして、いよいよ今日の目的地である集中講習が行われる部屋へと向かう事に。
ビーデル侯爵様と落ち合って、先ずは部屋の中を覗き込んで様子を伺うことにした。
「くそっ。何で俺様がこんな事になっているんだよ!」
「講習なんて、本当に面倒くさい! 貴族なんだから、楽していればいいんだ!」
「「「「「そうだそうだ!」」」」」
おお、いきなり不満を爆発させていますね。
軍に無理矢理連れてこられたのもあって、鬱憤がこれでもかと溜まっているみたいだ。
「うむ、言っている内容はともかくとして、奴らは元気いっぱいだな」
「そうですな、陛下。これは、指導のしがいがありますぞ」
一方、陛下とビーデル侯爵様は、部屋の中にいる貴族の態度を見るなりニヤリとしていた。
どうやら、軍人気質に火がついたみたいだ。
そして、予告もなくドアノブに手をかけた。
ガチャ。
「誰だ入って……へっ?」
「「「「「えっ!?」」」」」
指導教官と共に陛下が入ってきたので、部屋の中にいた貴族は思わずぽかーんとしてしまった。
僕も近衛騎士と共に部屋に入ったのだが、まだフリーズしていた。
「全員席につくように!」
「「「「「はっ、はい!」」」」」
ビーデル侯爵様が厳しい口調で指示を出すと、貴族は慌てた様子で席についた。
そして、陛下が口を開いた。
「本来ならヘルナンデスかルーカスを指導教官にしようとしたが、あいにく帝国使節団関連で忙しい。そこで、鬼教官として有名なビーデル侯爵に声をかけた。最初から中々な態度でいたな。ビーデル侯爵も、やり甲斐があるぞと言っていたぞ」
「「「「「へっ?」」」」」
陛下の話を聞くなり、集まった貴族はビーデル侯爵に顔を向けた。
その瞬間、ビーデル侯爵はニヤリととても良い笑顔を向けた。
同時に、集まった貴族の顔色が一気に悪くなった。
しかも、お得意の爵位差で馬鹿にする事すらできない。
「指導教官のビーデルだ。本日より、諸君を指導する。久々にやり甲斐のある仕事にワクワクしている」
「「「「「ひぃ……」」」」」
おお、ビーデル侯爵様の表情がまるで悪魔みたいだよ。
集まった貴族は、思わず震えあがっていた。
ところが、ここから僕も予想外の状況へと進んで行った。
「どうやら、諸君らはエネルギーが有り余っているみたいだな。簡単な運動をして、有り余ったエネルギーを発散してから講義を始める」
「「「「「へっ?」」」」」
簡単な運動って何だろうと思ったら、最初はその場でできるストレッチから始まった。
始まったのだが……
「なんだお前ら、その体の硬さは!」
「「「「「うぎぎぎぎ……」」」」」
うん、硬い、硬すぎる。
思わずビーデル侯爵様が叫んでしまいそうなレベルで、集まった貴族の体はもの凄く硬かった。
これでは、少し動いただけで肉離れになってしまう。
陛下も近衛騎士も、だめだこりゃって呆れた表情をしていますね。
「本来なら木剣の素振りでもしようと思ったが、これでは怪我をする。当面、講義開始前に準備運動を行って体を動かすことにする」
「「「「「はあはあはあ……」」」」」
ビーデル侯爵様の厳しい言葉も、荒い息をしている集まった貴族には届いていなかった。
太ったままだと貴族病で死んでしまうから、簡単でも良いから運動を続ける事は大切だ。
因みに、陛下は毎朝剣の訓練をしているという。
「それでは、これより講義を始める。適宜休憩を取るが、何かあったら私に申すように」
「「「「「はい……」」」」」
こうして、講義は何とかスタートした。
陛下と僕は、講義がスタートしたのを見届けてから部屋を後にし、軍の施設から王城へと戻ったのだ。
陛下の護衛をしていたスラちゃんも、クリスのところに戻って行った。
「中々元気がありますね。でも、ビーデル侯爵なら上手くやるでしょう」
「余もそう思う。時に、適度な厳しさは必要だ。ヘルナンデスとルーカスなら上手くやるが、ケンは優しいから難しいだろう」
王城の執務室に戻り、アーサー様と陛下が先程の講習の様子を語り合っていた。
それと陛下、僕はあの面々の講師なんてできませんよ。
クリスなら上手くできそうだが、僕では流石に無理だ。
「奴らは、帝国からの使節団が来た際にも講習を受けてもらう。夜会に出させるかは、講習を真面目に受けているのかを判断材料とする」
陛下は、ある意味ご褒美を与えた状態で講習をさせるようだ。
とはいえ、僕はあの貴族達では無理ではないかなと思ってしまったのだった。
そして、いよいよ今日の目的地である集中講習が行われる部屋へと向かう事に。
ビーデル侯爵様と落ち合って、先ずは部屋の中を覗き込んで様子を伺うことにした。
「くそっ。何で俺様がこんな事になっているんだよ!」
「講習なんて、本当に面倒くさい! 貴族なんだから、楽していればいいんだ!」
「「「「「そうだそうだ!」」」」」
おお、いきなり不満を爆発させていますね。
軍に無理矢理連れてこられたのもあって、鬱憤がこれでもかと溜まっているみたいだ。
「うむ、言っている内容はともかくとして、奴らは元気いっぱいだな」
「そうですな、陛下。これは、指導のしがいがありますぞ」
一方、陛下とビーデル侯爵様は、部屋の中にいる貴族の態度を見るなりニヤリとしていた。
どうやら、軍人気質に火がついたみたいだ。
そして、予告もなくドアノブに手をかけた。
ガチャ。
「誰だ入って……へっ?」
「「「「「えっ!?」」」」」
指導教官と共に陛下が入ってきたので、部屋の中にいた貴族は思わずぽかーんとしてしまった。
僕も近衛騎士と共に部屋に入ったのだが、まだフリーズしていた。
「全員席につくように!」
「「「「「はっ、はい!」」」」」
ビーデル侯爵様が厳しい口調で指示を出すと、貴族は慌てた様子で席についた。
そして、陛下が口を開いた。
「本来ならヘルナンデスかルーカスを指導教官にしようとしたが、あいにく帝国使節団関連で忙しい。そこで、鬼教官として有名なビーデル侯爵に声をかけた。最初から中々な態度でいたな。ビーデル侯爵も、やり甲斐があるぞと言っていたぞ」
「「「「「へっ?」」」」」
陛下の話を聞くなり、集まった貴族はビーデル侯爵に顔を向けた。
その瞬間、ビーデル侯爵はニヤリととても良い笑顔を向けた。
同時に、集まった貴族の顔色が一気に悪くなった。
しかも、お得意の爵位差で馬鹿にする事すらできない。
「指導教官のビーデルだ。本日より、諸君を指導する。久々にやり甲斐のある仕事にワクワクしている」
「「「「「ひぃ……」」」」」
おお、ビーデル侯爵様の表情がまるで悪魔みたいだよ。
集まった貴族は、思わず震えあがっていた。
ところが、ここから僕も予想外の状況へと進んで行った。
「どうやら、諸君らはエネルギーが有り余っているみたいだな。簡単な運動をして、有り余ったエネルギーを発散してから講義を始める」
「「「「「へっ?」」」」」
簡単な運動って何だろうと思ったら、最初はその場でできるストレッチから始まった。
始まったのだが……
「なんだお前ら、その体の硬さは!」
「「「「「うぎぎぎぎ……」」」」」
うん、硬い、硬すぎる。
思わずビーデル侯爵様が叫んでしまいそうなレベルで、集まった貴族の体はもの凄く硬かった。
これでは、少し動いただけで肉離れになってしまう。
陛下も近衛騎士も、だめだこりゃって呆れた表情をしていますね。
「本来なら木剣の素振りでもしようと思ったが、これでは怪我をする。当面、講義開始前に準備運動を行って体を動かすことにする」
「「「「「はあはあはあ……」」」」」
ビーデル侯爵様の厳しい言葉も、荒い息をしている集まった貴族には届いていなかった。
太ったままだと貴族病で死んでしまうから、簡単でも良いから運動を続ける事は大切だ。
因みに、陛下は毎朝剣の訓練をしているという。
「それでは、これより講義を始める。適宜休憩を取るが、何かあったら私に申すように」
「「「「「はい……」」」」」
こうして、講義は何とかスタートした。
陛下と僕は、講義がスタートしたのを見届けてから部屋を後にし、軍の施設から王城へと戻ったのだ。
陛下の護衛をしていたスラちゃんも、クリスのところに戻って行った。
「中々元気がありますね。でも、ビーデル侯爵なら上手くやるでしょう」
「余もそう思う。時に、適度な厳しさは必要だ。ヘルナンデスとルーカスなら上手くやるが、ケンは優しいから難しいだろう」
王城の執務室に戻り、アーサー様と陛下が先程の講習の様子を語り合っていた。
それと陛下、僕はあの面々の講師なんてできませんよ。
クリスなら上手くできそうだが、僕では流石に無理だ。
「奴らは、帝国からの使節団が来た際にも講習を受けてもらう。夜会に出させるかは、講習を真面目に受けているのかを判断材料とする」
陛下は、ある意味ご褒美を与えた状態で講習をさせるようだ。
とはいえ、僕はあの貴族達では無理ではないかなと思ってしまったのだった。


