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 事件で保護された子ども達の為に、貴族からも寄付金などが寄せられた。
 勿論、僕も子ども達の為に寄付をした。
 だが、教会が絡んだ大きな事件なだけに、教会自身でどうにかしろという声も上がった。
 また、教会に対して偽善者と言葉を吐き捨てる者もいた。
 無関係な聖職者にとっては堪らないが、残念ながら暫くは事件の影響が残るだろう。
 そんな中、教会としても何とかしたいという思いもあり無料治療が行われる事となった。
 僕にもヘルプが来たのだが、良い機会なのでアイちゃん達も連れて行くことにした。

「ケン先生は、本当に色々な仕事をするんですね」
「でも、最近は他の人にも仕事を任せる様にもしているよ。僕じゃないと駄目な仕事は、勿論やるけどね」

 朝の魔法訓練を終えて出発の準備を整えていると、帰りの馬車を待つノヴァ君が僕に質問してきた。
 奉仕活動での治療は小さい頃からやっているし、直接町の人と話をする機会だ。
 最近は奉仕活動時は全体を見ることが多いが、治療自体も今でも好きだ。

「困っている人のために何かをしたいという気持ちは、小さい頃から変わらないよ」
「困っている人の為に……」

 僕の話を聞き、ノヴァ君はちょっと考える様な素振りを見せた。
 ノヴァ君も、きっと人の為になる魔法使いになれるはずだ。

「「「きたよー」」」

 おっ、アイちゃん達の元気な声が聞こえてきた。
 では、そろそろ馬車に乗って出発だ。

「「「おはようございます!」」」
「ギャウ!」
「おお、みんなおはよう。今日は宜しく頼むぞ」

 大教会に到着すると、アイちゃん達は出迎えてくれたサイオン枢機卿様に元気よく挨拶をした。
 そして、サイオン枢機卿様は僕にも話しかけた。

「ケン君、先日に引き続き本当にありがとう。教会を代表してお礼を言うぞ」
「いえ。僕も、この事件に対して思うところがありますので。今日は、一生懸命頑張ります」
「そう言ってくれて、本当にありがたい」

 サイオン枢機卿様は、事件の後処理などで連日大忙し。
 それでも、こうしてしっかりと対応してくれるところが本当に凄い。
 僕も、改めて今日の治療はしっかりやらないといけないと思った。
 そして、この人達も姿を現したのだ。

「「「「「「おはよーございます!」」」」」」
「ウォン!」
「おはよう。相変わらず元気じゃのう」

 今日も元気いっぱいなアリアちゃん達が、サイオン枢機卿様にニコニコしながら挨拶をしました。
 更に、保護者として王太后様、メアリーさん、シーリアさんもやってきた。

「皆さま、本日は宜しくお願いします」
「サイオン枢機卿、私達は民に奉仕に来たのです。共に頑張りましょうね」

 王太后様が代表して返事をしたが、僕達がやる事は国民に奉仕することだ。
 目の前で困っている人を治療するのが、今日のミッションだ。
 なお、アリアちゃん達はスラちゃん、シロちゃん、レモンちゃんを交互に抱いて治療する。
 勿論、アクアちゃん、リーフちゃん、ピーちゃん達もみんなの護衛につく。
 トラちゃんとユキちゃんも、みんなを守ろうとやる気になっていた。

「失礼します。軍より参りました。皆さまの護衛も引き連れております」
「そう、ありがとうね。今日は大変かと思うけど、宜しく頼むわ」
「はっ」

 軍からも、アリシアさんが参加する。
 やはりアリシアさんも、直接事件に関わって思うところがあるみたいだ。
 護衛としてやってきた兵も、全て先日の作戦に参加した兵だ。
 住民から意見を聞くこともしてくれるそうで、本当にありがたい事だ。

「まあ、俺も子を持つ親だからな。子どもをモノのように扱った、今回の事件に憤りを感じてはいる。だが、教会全体が悪いわけじゃない。中々難しいもんだよ」

 僕に顔見知りの兵が話してくれたが、やはり複雑な思いもあるみたいだ。
 今まで多くの事件を扱ったのもあって、その辺りの割り切りは出来ていた。
 ただ、一部が悪いと全体が悪いという考えの人もいるのは確かだ。

「ケンは、いつも通りにしていれば大丈夫だ。俺達も、いつも通りにする」

 顔見知りの兵は、僕の肩をポンポンと軽く叩いた。
 僕も、目の前の事に集中しようと思った。

「みんなは、僕の周りで一緒に治療するよ。勝手に離れないでね」
「「「「「はーい!」」」」」

 ちびっ子達は、いつでもオッケーって声を上げています。
 今日は炊き出しはないので、僕達は大教会の中で治療をする。
 流石に神様の像の正面を陣取る訳には行かないので、正面から入って左側の位置を使うことになった。
 魔法袋から椅子などを取り出して、ちびっ子達に座ってもらった。
 更に、シスターさん達も準備を手伝ってくれた。
 さてさて、この後はいったいどの様に進むのだろうか。
 僕としては、無難に終わって欲しいと思ったのだった。